上官儀(読み)じょうかんぎ(その他表記)Shang-guan Yi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上官儀」の意味・わかりやすい解説

上官儀
じょうかんぎ
Shang-guan Yi

[生]大業4(608)
[没]麟徳1(664)
中国,初唐の政治家,詩人。陝州 (河南省) の人。字,遊韶 (ゆうしょう) 。太宗の貞観1 (627) 年進士に及第,弘文館直学士,秘書少監となる。太宗の作詩の相談役となり,六朝の華麗さを受継ぎ繊細な技巧を駆使した詩風は「上官体」と呼ばれ大いに流行した。また,対句の法を定めて律詩の成立に寄与。高宗のとき西台侍郎となったが,則天武后専横を押えようとした高宗を助け,武后の廃位をはかって失敗し,投獄されて死んだ。詩文集 30巻は日本にも伝わったといわれるが,現存は詩 20首だけである。孫に女流詩人上官昭容がいる。

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世界大百科事典(旧版)内の上官儀の言及

【宮廷文学】より

… 以後6世紀末に至る六朝の文学は,宮廷を主要な場として展開することが多かったが,なかでも6世紀前半の梁では,皇太子蕭綱(しようこう)を中心とする宮廷文人たちの極度に技巧をこらした華美な詩が宮体詩と称されて,一世を風靡した。唐に入っても,初期の太宗のころには文学の中心はなお宮廷にあり,上官儀(608ころ‐664)などの詩人が活躍したが,彼らの文学はしょせん六朝の余習を出なかった。8世紀半ばの安史の乱以後は,宮廷文学の基盤となった貴族制社会の崩壊によって,文学はしだいに宮廷から離れていった。…

※「上官儀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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