雫石(読み)しずくいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雫石」の意味・わかりやすい解説

雫石(町)
しずくいし

岩手県中西部岩手郡の町。1940年(昭和15)町制施行。1955年(昭和30)御明神(ごみょうじん)、御所(ごしょ)、西山の3村と合併。中心の雫石地区は雫石盆地に位置するが、周囲は山々で囲まれる。雫石川に沿ってJR田沢湖線、国道46号が通じる。北東部岩手山山麓(さんろく)には明治中期に大農場式牧場として開設された小岩井農場があり、西部には十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園の烏帽子(えぼし)岳、国見、網張(あみはり)、鶯宿(おうしゅく)、滝ノ上(たきのうえ)の温泉があり、スキー場やゴルフ場も開発されている。葛根田地熱発電所(かっこんだちねつはつでんしょ)は出力8万キロワット、熱水を利用した果樹・野菜栽培、淡水魚養殖などの研究が進められている。面積608.82平方キロメートル、人口1万5731(2020)。

[川本忠平]

『『雫石町史』(1978・雫石町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「雫石」の意味・わかりやすい解説

雫石[町] (しずくいし)

岩手県西部,岩手郡の町。人口1万8033(2010)。北の岩手山(2038m),西の駒ヶ岳(1637m)など奥羽山脈の山々に囲まれた雫石盆地にあり,中央を北上川支流の雫石川が西流し,川沿いにわずかの低地が開ける。米作畜産酪農を主体とする農業が主産業で,岩手山麓には日本最大の民間牧場小岩井農場がある。十和田八幡平国立公園の南の玄関口であり,岩手山南西斜面の網張温泉を中心とした岩手山麓国民休暇村,鶯宿(おうしゆく)温泉国見温泉(重曹硫化水素泉,47~52℃),滝ノ上温泉(単純硫化水素泉,77~97℃)や葛根田(かつこんだ)の大岩屋(天),スキー場,御所ダムなど観光資源に富む。1966年に田沢湖線,76年に国道46号線の仙岩トンネルが開通し,また97年3月には秋田新幹線が開業して雫石駅より盛岡秋田との交通が便利になり,観光客が増加している。
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百科事典マイペディア 「雫石」の意味・わかりやすい解説

雫石[町]【しずくいし】

岩手県西部,岩手郡の町。北は岩手山,西は秋田県境に達し,東部に雫石川が流入する雫石盆地が開ける。秋田新幹線(田沢湖線)が通じる。稲作基幹産業とし,畜産,園芸も行う。小岩井農場,繋(つなぎ)・鶯宿(おうしゅく)温泉,葛根田(かっこんだ)の大岩屋(天然記念物)があり,岩手山,駒ヶ岳の登山基地。東日本大震災で,町内において被害が発生。608.82km2。1万8033人(2010)。

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