上杉=美濃部論争(読み)うえすぎ=みのべろんそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上杉=美濃部論争」の意味・わかりやすい解説

上杉=美濃部論争
うえすぎ=みのべろんそう

東京帝国大学教授美濃部達吉と同大学助教授上杉慎吉 (1912教授就任) の憲法解釈をめぐる論争発端は,1911年雑誌『太陽』誌上に始まり,浮田和民穂積八束など当代一流の識者をこの論争に巻き込んで2年間続いた。国家法人説に立って天皇権限を狭く解釈しようとする美濃部と天皇を神聖視しその主権性を強調する上杉との論争は,実は政治対立であった。そして大正デモクラシー時代の到来によってひとまず美濃部が勝利を占めたが,やがて天皇機関説によって決定的な敗北をみた。

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世界大百科事典(旧版)内の上杉=美濃部論争の言及

【主権論争】より

…(2)1912年3月美濃部達吉が天皇機関説に立つ《憲法講話》を刊行,これを天皇主権説の上杉慎吉が批判したことから始まり,翌年まで公法学界を中心に行われた明治憲法の解釈をめぐる論争。上杉・美濃部論争ともいう。これで天皇機関説が優位に立った。…

※「上杉=美濃部論争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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