上横山遺跡(読み)かみよこやまいせき

日本歴史地名大系 「上横山遺跡」の解説

上横山遺跡
かみよこやまいせき

[現在地名]小山町竹之下

富士山の裾野から北東に延びる台地東端馬伏まぶせ川と鮎沢あゆざわ川によって開析され、東と北が開けた台地上、およそ標高四〇〇メートルの辺りにあり、周辺は緩い起伏をもっていて、通称高畑山たかはたやまとよばれている。調査の結果、奈良時代前半の竪穴住居跡二八基・掘立柱建物跡六基・柵列などが検出され、足柄あしがら路に関係して、計画的に作られた集落の可能性が考えられる。また遺跡の中央には浅く掘込まれた道路状の遺構が確認され、古代の東海道ではないかと考えられた。「日本紀略」延暦二一年(八〇二)正月八日および五月一九日条によると、このときの富士山噴火は、噴出物で東海道の一部が塞がれ、一時東海道を付替えるほどの影響を与えたが、当遺跡ではこの火山灰を確認できなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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