上神戸村・下神戸村・上林村(読み)かみかんべむら・しもかんべむら・うえばやしむら

日本歴史地名大系 の解説

上神戸村・下神戸村・上林村
かみかんべむら・しもかんべむら・うえばやしむら

[現在地名]上野市上神戸・下神戸・上林朝日あさひおか

「統集懐録」・天保郷帳は「神戸村」一村と扱うが、「宗国史」「三国地志」は三村に分け、実質的に独立していた。岡波おかなみ枅川ひじきがわ両村の南の下神戸村は中央やや西を長田ながた(木津川)が北流する。その南の長田川東岸部が上林村、字白地しらじを除いて西岸部が上神戸村。上神戸には古く伊賀神戸・穴太あなほ御厨・穴穂あなほ(現神戸神社)があった。

古墳は下神戸に天童てんどう山の古墳群など、上神戸に大師だいし山・六つ子むつご狭戸せまどの古墳群、また「わき塚」などの古墳(いずれも後期円墳)がある。奥城寺おんじようじ遺跡には弥生―古墳末期の住居跡、鎌倉―戦国時代の奥城寺、奥城寺火災後の城跡などが調査で判明している。中世末期の城跡のうち丸山まるやま城は伊勢国司北畠信雄が伊賀平定の拠点として天正六年(一五七八)築城にかかり、翌年伊賀土豪に攻落されている。山村やまむら城は複雑な様式で、城の北下に三方土塁の館跡があり、また現上野市域では唯一の高櫓台をもつ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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