不動産信託(読み)ふどうさんしんたく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「不動産信託」の意味・わかりやすい解説

不動産信託
ふどうさんしんたく

信託引受けにあたり信託財産として土地建物など不動産を受け入れる信託。正確には信託業法で規定された「土地およびその定著物の信託」をさす。目的により管理信託、運用信託、処分信託がありうるが、現実には地代家賃の取立て、維持修繕などを行う管理信託がほとんどで、処分信託は代理事務のほうが簡単なため実例に乏しい。大蔵省は、信託業者が小作争議に巻き込まれることを恐れて農地受託を禁じたため、対象は市街地の不動産にほぼ限定され、実務上の障害(登録税の過重)もあってあまり発展しなかった。

[麻島昭一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「不動産信託」の意味・わかりやすい解説

不動産信託【ふどうさんしんたく】

土地・建物など不動産を信託財産として受け入れる信託。信託業法上〈土地およびその定着物の信託〉と呼ばれ,広義には地上権,土地賃借権の信託も含める。土地・建物以外は実例に乏しく,管理目的の場合が多く信託会社委託者に代わって地代・家賃の取立て,建物の維持・補修などをする。
→関連項目信託不動産証券化

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