不昧流(読み)ふまいりゅう

精選版 日本国語大辞典 「不昧流」の意味・読み・例文・類語

ふまい‐りゅう‥リウ【不昧流】

  1. 〘 名詞 〙 茶道流派一つ松平不昧公を祖とする石州流茶道の一分派である石州流不昧派のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不昧流」の意味・わかりやすい解説

不昧流
ふまいりゅう

松平不昧(1751―1818)を流祖とする茶道の流派の一つ。石州(せきしゅう)流不昧派といわれることもある。出雲(いずも)松江(島根県)の7代藩主である松平不昧は名を治郷(はるさと)といい、初め三斎流の荒井一掌(いっしょう)について三斎流の茶を学んでいたが、石州の茶を好むようになり一派をおこした。不昧の茶はその後、家老であった有沢弌通(かずみち)(?―1776)に伝えられ、以後、弌善(かずよし)、弌悳(かずとく)、弌審(かずのぶ)、弌恒(かずつね)と続き、現在不昧流宗家を名のっている。大坂の豪商平瀬露香(ろこう)などの高弟を出している。

[筒井紘一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不昧流」の意味・わかりやすい解説

不昧流
ふまいりゅう

松平不昧 (1751~1818) を祖とする石州流茶道の一派。不昧は松江藩主の松平治郷の号。茶道は初め三斎流,のちに石州流を学んだ。名物茶器を収集し『古今名物類聚』『瀬戸陶器濫觴 (らんしょう) 』『茶礎』などの著書がある。不昧流の家元は現在も松江にある。茶道については「我流儀立つべからず,諸流皆我流にして別に派を立つることあるべからず」と主張した。

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改訂新版 世界大百科事典 「不昧流」の意味・わかりやすい解説

不昧流 (ふまいりゅう)

松平治郷(はるさと)

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世界大百科事典(旧版)内の不昧流の言及

【松平治郷】より

…不昧の号は,22歳のときつけてもらったものであるが,みずから使うようになるのは隠退して剃髪した56歳のときからである。不昧の茶道を御流儀といい,一般に不昧流と呼んでいる。【内藤 正中】 不昧の号は《無門関》にある〈不落不昧〉の語にちなむといい,茶は石州流の伊佐幸琢(将軍御数寄屋頭)に学んだので,不昧流は石州流の一派とされる。…

※「不昧流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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