朝日日本歴史人物事典 「中原康富」の解説
中原康富
生年:応永6(1399)
室町中期の官人。父は英隆。隼人正,日向守,権少外記などを歴任し,文安4(1447)年以前に権大外記となったと考えられる。大学助,中務権少輔なども兼ねた。長禄1(1457)年,正五位下に叙せられている。外記局の官人として朝廷の政務に携わっていたところから,その日記『康富記』には,当該期の公家社会の実態や幕府を知る情報が多い。有職故実に通じ,学問にも優れていたため伏見宮や花山院家の子弟の教育にも当たっており,また和歌,連歌もよくし歌会などに出席している。<参考文献>矢野太郎『康富記』解題
(小森正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報