中和門院(読み)ちゅうかもんいん

朝日日本歴史人物事典 「中和門院」の解説

中和門院

没年:寛永7.7.3(1630.8.11)
生年:天正3(1575)
安土桃山から江戸初期の后妃。後陽成天皇の女御。後水尾天皇生母近衛前久の娘。名は前子。関白豊臣秀吉養女として入内し女御となる。ここに南北朝時代以降中絶していた女御が復活した。清子内親王(鷹司信尚室),後水尾天皇,近衛信尋,高松宮好仁親王,一条昭良,貞子内親王(二条康道室)ら多くの皇子女を儲けた。後陽成天皇没後も制度上は女御のままであったが,3年後に院号宣下を受け,女院となる。皇子女の教育や,徳川秀忠の娘和子(東福門院)の入内,後水尾天皇の譲位など江戸幕府との間の諸問題の対応に心を砕いた。墓所は京都泉涌寺。<参考文献>『皇室制度史料 后妃』1・5巻,熊倉功夫『後水尾院』

(久保貴子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中和門院」の解説

中和門院 ちゅうわもんいん

1575-1630 織豊-江戸時代前期,後陽成(ごようぜい)天皇の女御(にょうご)。
天正(てんしょう)3年生まれ。近衛前久(このえ-さきひさ)の3女。豊臣秀吉の養女として天正14年天皇の後宮にはいり,清子(せいし)内親王,後水尾(ごみずのお)天皇,恵仙(えせん)女王,近衛信尋(のぶひろ),好仁(よしひと)親王,一条昭良,貞子内親王らを生んだ。元和(げんな)6年院号をさずけられた。寛永7年7月3日死去。56歳。名は藤原前子(さきこ)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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