中坊公平(読み)なかぼうこうへい

百科事典マイペディア 「中坊公平」の意味・わかりやすい解説

中坊公平【なかぼうこうへい】

弁護士。京都府出身。京都大学法学部卒業。1957年に弁護士登録。1973年に森永ヒ素ミルク中毒被害者弁護団と大阪の千日(せんにち)デパート火災テナント弁護団の団長就任,被害者の救済などに尽力した。1985年にはペーパー商法(顧客に商品を渡さず,その商品の運用・保管などを行うと称し,預かり証などしか交付しない商法)で多数の被害者を出して破綻した豊田商事の破産管財人に選ばれ,従業員給与の所得税返還を実現,被害者への配当を増やした。1990年に日本弁護士連合会会長に就任。瀬戸内海豊島(てしま)産業廃棄物不法投棄問題などにも関わり,市民派弁護士として〈平成の鬼平〉と称された。1996年に公的資金が投入された住専(住宅金融専門会社)処理にあたる住宅金融債権管理機構社長となり,1999年には改組された整理回収機構の初代社長に就任。しかし,2002年に同機構の不適切な債権回収をめぐって詐欺容疑で刑事告発され,2003年に弁護士廃業を表明事情聴取を行った東京地検は〈詐欺に当たる行為はあった〉としたが,処分については起訴猶予とした。→住専問題千日前森永ヒ(砒)素ミルク中毒事件

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中坊公平」の解説

中坊公平 なかぼう-こうへい

1929-2013 昭和後期-平成時代の弁護士。
昭和4年8月2日生まれ。昭和32年大阪弁護士会にはいる。48年森永ヒ素ミルク中毒被害者弁護団団長。60年豊田商事の破産管財人となる。平成2年日本弁護士連合会会長。8年住宅金融債権管理機構社長となり,11年それが発展した整理回収機構の社長。同年顧問となる。社長時代の不適切な債権回収の責任をとって15年弁護士廃業を表明し,17年廃業した。平成25年5月3日死去。83歳。京都出身。京大卒。

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