朝日日本歴史人物事典 「中山胡民」の解説
中山胡民
生年:文化5(1808)
幕末の蒔絵師。武蔵国葛飾郡(東京都)寺島村の名主金兵衛の3男。通称は祐吉。原羊遊斎に入門して蒔絵を学び,精巧精緻な技巧で知られた。のちに法橋に叙せられ,泉々と号す。江戸両国矢の倉に住み,のちに今戸に移る。嘉永・安政年間(1848~60)の自筆注文控「塗蒔絵控」「蒔絵註文控」によれば,櫛,硯箱,手箱,茶道具類を多く制作した。門人に小川松民がいる。東京向島の法泉寺に葬られる。<参考文献>『近代日本の漆工芸』
(内田篤呉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報