中岳山麓窯跡群(読み)なかだけさんろくようせきぐん

日本歴史地名大系 「中岳山麓窯跡群」の解説

中岳山麓窯跡群
なかだけさんろくようせきぐん

[現在地名]金峰町花瀬

獄山ごくやま荒平あらひら・テンドぼりにある。金峰山地から西へ延びた山塊の先端近くにある平安時代前半の須恵器窯跡群。中岳の南西側山麓の標高五〇メートル前後付近に分布している。万之瀬まのせ川へ注ぐ谷川の源近くにあたり、窯はこの谷の北西斜面と南東斜面に存在している。三ヵ所の支群に分れ、分布調査で三〇基を超す窯跡が確認されている。半地下式無段登窯と推定されている。近くの実吉原さねよしばら台地では同時期の須恵器が採集されており、工人の生活跡と推定されている。多くの甕・壺の須恵器破片とともに支柱・焼台などの窯道具も採集されている。甕は頸部から外反し、口縁端部近くで屈曲してやや立上がる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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