中性子捕獲療法(読み)チュウセイシホカクリョウホウ(その他表記)neutron capture therapy

デジタル大辞泉 「中性子捕獲療法」の意味・読み・例文・類語

ちゅうせいし‐ほかくりょうほう〔‐ホクワクレウハフ〕【中性子捕獲療法】

がん治療法の一。中性子を吸収しやすい性質をもつ化合物ホウ素同位体10B)を腫瘍細胞に取り込ませ、熱中性子を照射することにより、細胞内部α線を発生させ、腫瘍細胞のみを選択的に破壊する。中性子捕捉療法。ホウ素中性子捕獲療法。ホウ素中性子捕捉療法BNCT(boron neutron capture therapy)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中性子捕獲療法」の意味・わかりやすい解説

中性子捕獲療法
ちゅうせいしほかくりょうほう
neutron capture therapy

中性子捕捉療法ともいう。原子炉を使用する治療法で,中性子による原子核反応を人体内で起させて治療に利用しようというもの。脳腫瘍に対して行う。頸動脈からホウ素化合物を注射し,それが腫瘍細胞内に取込まれた頃,原子炉で熱中性子を照射すると,ホウ素が放射性リチウムに変って,その際にα線が放射される。α線は飛程がきわめて短く,腫瘍細胞のみを選択的に内部から破壊するので,健常組織の障害が少い。しかし,副作用もあるので,今後の検討が必要とされている。

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