コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

α線 アルファせんα-ray

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

α線
アルファせん
α-ray

放射性核種が自然崩壊するとき放出される放射線の1種で,運動エネルギーが数百万 eV のヘリウム4の原子核の集りである。普通の放射性核種から放出される放射線にはほかにβ線γ線とがあるが,α線はそれらのなかで最も電離作用が強く,物質を通過するとき,その道筋に沿って多数のイオンを生じさせる。写真乾板を感光させ,原子核乾板中に飛跡をつくり,硫化亜鉛のようなケイ光物質に当ってケイ光を発する。透過力は弱く,1気圧の空気中では数 cm であり,また 0.1 mm のプラスチック紙片によって止ってしまう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

アルファ‐せん【α線/アルファ線】

放射線の一。放射性元素α崩壊で放出されるα粒子の流れ。人工的には、サイクロトロンなどを用いてヘリウムイオンを加速して発生させる。β(ベータ)線・γ(ガンマ)線より電離作用が強く、透過力は小さい。数センチメートルの空気の層や紙一枚で容易に遮蔽することができるが、α線を放出する放射性物質を体内に取り込んだ場合、内部被曝により人体に悪影響をもたらす。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

α線【アルファせん】

放射性原子核のα崩壊の際放出されるα粒子の流れ。α粒子はヘリウム4(4He)の原子核で,陽子2個と中性子2個からなり,正電気2単位と質量数4をもつ。電離作用が強いが透過距離が短く,飛跡は太く短い。
→関連項目宇宙線ガイガー=ミュラー計数管核反応原子核模型β線夜光塗料

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

アルファせん【α線 α‐rays】

原子核がα崩壊をするときに放出される放射線。ヘリウム4(4He)の原子核(α粒子α‐particle。陽子2個と中性子2個が結合したもの)の粒子線である。そのエネルギーはほぼ一様に数MeVの単色スペクトルを示すが,いくつかの微細構造をもっていることもある。物質中では電離作用が大きいため,β線,γ線より透過力は小さい。エネルギーと物質によって決まる一定の透過距離(飛程)がある。放射線【山崎 敏光】

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

アルファせん【α線】

放射線の一。原子核の α 崩壊によって放出される α 粒子の流れ。イオン化作用は β 線ベータせんより強く、透過力は β 線より弱い。 π 中間子や超ウラン元素の生成などに用いられる。

α線

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

α線
あるふぁせん

放射線の一種で、高い運動エネルギーをもつヘリウム4の原子核の流れ。不安定原子核のα崩壊に伴い放出されるα粒子で、陽子2個と中性子2個で構成される。陽子2個によりプラス帯電しており、電離作用が強い。透過力は弱く、薄い紙でも遮ることができ、皮膚にα線が当たっても、内部にはほとんど影響しない。しかし、α線を放射する放射性物質を体内に取り込むと、周囲の細胞を傷つけるおそれ(内部被曝(ひばく))がある。ラザフォードのα粒子の散乱実験に使われた。[山本将史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のα線の言及

【原子力】より

…キュリー夫妻(M.キュリーP.キュリー)はこのベクレルの実験結果を徹底的に調べ,ウランが出している放射線はウランに固有のものであり,また,ウラン以外にも同じように放射線を出す元素があることを発見(1898),放射線を出す性質や能力を放射能とよび,放射能をもつ元素を放射性元素とよんだ。次いでE.ラザフォードは,ウランから放出される放射線のなかに,正の電荷と負の電荷をもつ放射線があることに気がつき,それぞれ,α線とβ線と名づけた。さらに,電荷をまったくもたない放射線もあることが発見され,γ線と命名された。…

【放射線】より

…放射性同位体が放射性崩壊するときに放出される粒子線,あるいは電磁波のことで,α線,β線,γ線をさして用いられるが,X線や,加速器ビームの照射によって生成する中性子線などの二次粒子線,宇宙線など,同じ程度あるいはそれ以上のエネルギーをもつ粒子線,電磁波を含めていうこともある。程度に差はあるが,一般に,物質中で透過力をもつことが特徴である。…

※「α線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

α線の関連キーワードBNCT(ホウ素中性子補足療法 )BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)シンチレーションカウンターロバート・B. オーエンズシンチレーション(天文)シュレーディンガーのネコスペクトロヘリオグラフα線スペクトロメータサーベイメータ中性子捕獲療法バークリウムオリオン星雲ラザフォード放射線厚み計超ウラン元素ライマンα線放射線生物学ウラン中毒人工放射能電離放射線

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

α線の関連情報