20世紀日本人名事典 「中村古峡」の解説
中村 古峡
ナカムラ コキョウ
- 生年
- 明治14(1881)年2月20日
- 没年
- 昭和27(1952)年9月12日
- 出生地
- 奈良県生駒
- 本名
- 中村 蓊(ナカムラ シゲル)
- 別名
- 筆名=胆駒 古峡
- 学歴〔年〕
- 東京帝大英文科卒,東京医専〔昭和3年〕卒
- 経歴
- 夏目漱石門下生として東京朝日新聞社に入社したが、作家への夢が断ち難く、明治43年退社し、長編「殻」を朝日新聞に連載。大正2年同作品を出版し好評を博す。6年文学を棄て、日本精神医学会を組織し、月刊機関誌「変態心理」を創刊。健康と病気、正常と異常の区別を排した精神医学と変態心理学の必要を説き、現代の異常心理研究の草分けとして偉大な業績を残した。また千葉市に中村古峡療養所(のちの中村古峡記念病院)を開院。昭和12年には詩人・中原中也が入院した。著書に「変態心理の研究」「二重人格の女」などの他、作家としての作品に「甥」「永久の良人」などがある。平成11年「変態心理」全巻の復刻版が出版される。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報