中村吉治(読み)ナカムラ キチジ

20世紀日本人名事典 「中村吉治」の解説

中村 吉治
ナカムラ キチジ

昭和期の日本史学者 東北大学名誉教授。



生年
明治38(1905)年2月4日

没年
昭和61(1986)年12月10日

出生地
長野県上伊那郡朝日村(現・辰野町)

学歴〔年〕
東京帝国大学文学部史学科〔昭和4年〕卒

学位〔年〕
経済学博士(東北大学)〔昭和26年〕

主な受賞名〔年〕
勲二等旭日重光章〔昭和50年〕

経歴
昭和4年東京帝国大学史料編纂所所員、8年東北帝国大学助教授、16年教授、26年東北大学経済学部長を歴任。43年退官後は、56年まで国学院大学教授を務めた。日本の封建制村落共同体特質を実証的研究により解明。総合的な封建社会通史執筆著書に「近世初期農政史研究」「日本経済史概説」「日本社会史概説」「村落構造の史的分析」「封建社会」「日本の村落共同体」「土一揆研究」「日本封建制の源流」「社会史への歩み」(全4巻)など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村吉治」の解説

中村吉治 なかむら-きちじ

1905-1986 昭和時代の経済史学者。
明治38年2月4日生まれ。母校東京帝大の史料編纂(へんさん)所嘱託をへて,昭和16年東北帝大教授,のち経済学部長。43年国学院大教授。村落共同体を歴史的に分析して独自の経済史,社会史の体系をつくる。昭和61年12月10日死去。81歳。長野県出身。著作に「日本社会史概説」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の中村吉治の言及

【安土桃山時代】より

…また,中世を奴隷制社会とみなす立場からの見解は,(4)封建制成立説と一括することができよう。 (1)は中村吉治に代表される見解で,貨幣経済の進展によって解体しかかった中世封建制が,戦国期から織豊政権にかけて,大名領知制の確立や検地,身分統制の強化などによって再編強化され,近世封建制が成立したというものである。(2)は藤田五郎に代表される見解で,夫役経営(労働地代)を基本とする中世の農奴制的封建社会が,土一揆,一向一揆の過程を通じて,本百姓=隷農による小農民経営が成立し,生産物地代を中心とする,より純粋化した形の封建社会が成立したというものである。…

※「中村吉治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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