最新 地学事典 「中植代」の解説
ちゅうしょくだい
中植代
Mesophytic era
植物界の変遷を基にした相対年代区分のうちペルム紀後期~白亜紀中期の時代。古植代後期に陸上に進出した植物は,中植代に入ると陸上(水を離れた環境)での生殖をより有利に行うための種子をもつもの(裸子植物)が繁栄。三畳紀以降,ベネチテス(キカデオイデア)目が栄えたので中生代をベネチテス(キカデオイデア)の時代とも。他にソテツ目・ニルソニア目・ペントキシロン目・イチョウ目・チェカノウスキア目・球果目や類縁不明の裸子植物が繁栄。その一方で,種子を乾燥からより効率的に保護する被子植物が出現。三畳紀前期の植物界は世界的に貧弱。三畳紀中期~ジュラ紀初期になると中生代古期型植物が多様化し汎世界的に分布,地域性も顕著化。例えばユーラシア東部では,三畳紀後期には南に熱帯性のディクチオフィルム-クラスロプテリス植物群(日本では成羽層群・美祢層群の植物群)と北に温暖性のダニオプシス-サイモプテリス植物群が出現。ジュラ紀初期には西中山型(領石型植物群の先駆)・来馬型(ディクチオフィルム-クラスロプテリス植物群)・シベリア型の各植物群が出現。ジュラ紀中期以降は中生代新期型植物群の時代。熱帯乾燥性で新期型植物のみで構成される領石型植物群(インド-ヨーロッパ植物地理区の一員),温暖湿潤性で古期型植物を含む手取型植物群(シベリア植物地理区の一員),西南日本の一部(歌野植物群)などにみられる混合型植物群が白亜紀前期まで存在する。
執筆者:大久保 敦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

