丸剤(読み)ガンザイ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「丸剤」の意味・わかりやすい解説

丸剤
がんざい

医薬品球状に製したもので、11、12世紀ごろからつくられたというもっとも古い剤形の一つ。現在では錠剤カプセル剤が普及しており、ごく一部の一般用医薬品(クレオソート丸、ヨードカリ丸、亜ヒ酸丸など)しか用いられていない。日本薬局方では1個の重量が通例約0.1グラムと規定されており、これ以下の薬、たとえば「仁丹(じんたん)」や「救心」などは、局方でいう丸剤ではないわけである。なお、英名pillsであるが、the pillは、経口避妊薬の俗称(いわゆるピル)である。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の丸剤の言及

【丸薬】より

…丸薬の代表的なものに,去痰(きよたん)薬としてヨウ化カリウム丸,鎮痙(ちんけい)薬として硫酸アトロピン丸,スコポラミン丸などがある。現在,丸薬は丸剤pillsといわれている。製剤【杉原 正泰】。…

【方剤】より

…膏は生薬末と油脂類の混合物や煎出エキスなどであるが,外用だけでなく,内服用のものもあった。一般に散剤は湯剤より効果の出現が遅く,丸剤はさらに遅効性であるとされている。薬剤によってはふりだし薬(短時間湯にひたす)にするものもある。…

※「丸剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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