主物・従物(読み)しゅぶつじゅうぶつ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

主物・従物
しゅぶつじゅうぶつ

母屋(おもや)と納屋とか、庭園とそこに配置された石灯籠(いしどうろう)のように、ある物Aが独立の物権の客体たる資格を失わずに、客観的・経済的関係において他の物Bと結合してその経済的効用を助ける立場にあるとき、Bを主物といい、Aを従物という(前の例で、母屋と庭は主物であり、納屋と石灯籠は従物である)。従物を主物の法律的運命に従わせることによって物の経済上の効用を維持しようとする制度である。従物たることの要件は、主物の常用に供されること(社会観念上、継続して主物の経済的効用を全うさせる働きをすること)、特定の主物に付属すると認められる程度の場所的関係にあること、主物・従物ともに独立の物と認められること(障子・襖(ふすま)・畳などは従物である)、主物・従物ともに同一の所有者に属すること、である(民法87条1項)。従物たることの効果は、主物の処分に従う、ということである(同法87条2項)。たとえば、主物を売買すれば、別段の合意がない限り、従物もそれに包含される。また主物のうえに抵当権を設定すれば、その効力は従物のうえにまで及ぶ。[淡路剛久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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