日本歴史地名大系 「久比村」の解説 久比村くびむら 広島県:豊田郡豊町久比村[現在地名]豊町久比大崎下(おおさきしも)島の中央北部に位置する。東および南は大長(おおちよう)村、西は大浜(おおはま)村(現豊浜町)に接し、北は海に臨んで中央入江の二つの谷に集落がある。西北方海上の三角(みかど)島(三方島)も一部大浜村分を除き大部分は当村に属する。応永二九年(一四二二)四月二二日の善善麻女性某連署譲状写(小早川家文書)に「久比浦」、宝徳三年(一四五一)七月日付の小早川熙位譲状写(同文書)に「久比之浦」「見賀多之島」がみえる。応永末年頃、小早川熙位(円春)が伊予の三島と戦った時、久比に築城したことが文安三年(一四四六)六月日付の円春置文写(同文書)にみえるが、当地は芸予諸島での活動のうえで重要な拠点であったと思われる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報