久米舞・久米儛(読み)くめまい

精選版 日本国語大辞典 「久米舞・久米儛」の意味・読み・例文・類語

くめ‐まい ‥まひ【久米舞・久米儛】

雅楽の一つ。神武天皇が兄猾(えうかし)を討った時の戦勝の歌(久米歌)に舞をつけたものと伝える。もと久米氏が奏したが、同氏が滅んだ後、平安初期には大伴・佐伯両氏が奏し、蜘蛛を切る所作をしたという。この舞は、平安時代になってからは、もっぱら大嘗祭豊明節会に用いられることになったが、室町時代にいったん断絶し、江戸末の文化一五年(一八一八復興。明治以後は大嘗会と紀元節に演じられてきた。現制では、四人の舞人が巻纓(けんえい)の冠と赤い袍を着け、金剣を帯びて舞う。
※令集解(701)職員「今有寮儛曲等如左。久米舞・大伴弾琴」

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