家庭医学館 「乳児脂漏性皮膚炎」の解説
にゅうじしろうせいひふえん【乳児脂漏性皮膚炎 Seborrheic Dermatitis of Infants】
生後3か月くらいまでの乳児の頭皮(とうひ)や顔にできる、かゆみのない皮膚炎です。
症状としては、頭皮、おでこ、眉毛(まゆげ)などに黄色やうす黄色の脂(あぶら)っぽいかさぶたがつきます。放置しておくとだんだん厚くなり、洗っても落ちないようになります。
[原因]
皮膚には、皮脂(ひし)という脂肪が分泌(ぶんぴつ)されています。皮膚に生えている毛の根元あたりに皮脂腺(ひしせん)という器官がありますが、男性ホルモンの刺激を受けると皮脂腺の活動がさかんになり、皮脂が分泌されます。生後3か月以降10歳までの子どもは性ホルモンをほとんど分泌しませんが、生後3か月までの乳児は男性ホルモンの分泌がさかんです。皮脂腺は、頭やおでこでよく発達しているため症状がでやすくなります。
[治療]
白色ワセリンや亜鉛華単軟膏(あえんかたんなんこう)を厚めに塗り、ガーゼなどでおおい、まる1日放置します。軟膏で脂漏がはがれやすくなったところで、翌日、櫛(くし)で頭皮からすき上げ、その後シャンプーをします。シャンプー後は尿素配合のローションなどを塗ります。
予防としては、洗髪や頭皮の洗浄に石けんを使うのはやめ、ベビーシャンプーを使用します。