最後の皇朝十二銭。958年(天徳2)3月に発行された第12番目の銅銭。延喜通宝発行から51年後にあたる。改鋳の理由と新旧銭の交換比率は不明であるが,改鋳差益を目的とし新銭1=旧銭10の割合で併用したのであろう。成分は延喜通宝同様,鉛の含有量が平均50%ときわめて高く,ほとんど鉛銭といってもよい。963年(応和3)旧銭の使用を停止し新銭を用いることとしたが,劣悪な品質による信用の低下により,銭の使用は忌避され,古代国家の銭貨鋳造は断絶した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…日本古代における政府発行の銅銭の総称。〈本朝十二銭〉ともいう。これ以外に銀銭として和同開珎・大平元宝,金銭として開基勝宝が発行されている。金属貨幣は天武朝ごろには存在したらしいが,和同開珎以降,律令政府によって本格的に鋳造され流通せしめられた。律令政府は銅銭に地金の銅よりも高い法定価値を付与し,支払手段として用いることによって財政的利益を得ていた。しかし律令政府によって一方的に与えられ,なんらの社会的妥当性をもたない高い法定価値を維持することは困難で,私鋳銭の横行と法定価値の下落を招いた。…
※「乾元大宝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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