鉛銭(読み)ナマリセン

デジタル大辞泉 「鉛銭」の意味・読み・例文・類語

なまり‐せん【鉛銭】

で鋳造した銭貨中世から近世初期にかけて流通した悪質の私鋳銭のほか、江戸末期から明治初期に関東東北一部で流通したものがある。なまりぜに。

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精選版 日本国語大辞典 「鉛銭」の意味・読み・例文・類語

なまり‐せん【鉛銭】

  1. 〘 名詞 〙 鉛製の銭貨。日本の鉛銭は平安中期の延喜通宝、乾元大宝の両銭に始まるとする説があるが、この二銭は元来銅銭であり、鉛銭とみられるものは鉛分を多く含んだ銅銭であって、鉛銭として鋳造されたものではない。中世中期から近世初期にかけ当時通用の諸銭貨を模した鉛銭が各地で鋳造されたが、これらは悪質の私鋳貨として取り扱われたに過ぎない。純然たる鉛銭は江戸時代末期に発生し、明治初期にかけて一部の地方に通用したもので、上野国渋川を中心とする商家発行の鉛切手銭、越後田塚の鉛銭、陸奥仙台領の細倉当百銭、羽前米沢藩の生産局鉛銭などが知られている。なまりぜに。〔随筆・昆陽漫録(1763)〕

なまり‐ぜに【鉛銭】

  1. 〘 名詞 〙なまりせん(鉛銭)
    1. [初出の実例]「鳩の目と云おかしげなる鉛銭(ナマリセニ)」(出典浮世草子日本永代蔵(1688)四)

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