日本大百科全書(ニッポニカ) 「乾県」の意味・わかりやすい解説
乾県
けんけん / チエンシエン
中国、陝西(せんせい)省中部の県。咸陽(かんよう)市に属する。常住人口52万7088(2010)。黄土(こうど)台地の南辺にあり、台地上は小麦、雑穀を主とする乾燥農業地帯である。この付近は、秦(しん)・漢以来、西安(せいあん)周辺に都が置かれると北西の近郊地区にあたり、王侯の陵墓が盛んに築かれた。この県の北の梁山(りょうざん)には唐の高宗と則天武后(そくてんぶこう)の乾陵(けんりょう)があり、付近にあるその子の章懐(しょうかい)太子(654―684)、孫の永泰(えいたい)公主(684―701)、懿徳(いとく)太子(682―701)の墓は、発掘されて多くの副葬品が発見されている。
[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]