予備学校(読み)よびがっこう(英語表記)preparatory school

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「予備学校」の意味・わかりやすい解説

予備学校
よびがっこう
preparatory school

生徒を他の教育施設に入学させるための準備教育を施すことを目的とする学校。ヨーロッパでは公立中学校が厳格な選抜制度をとっているため,予備学校は多くの場合私立で,学問的水準の高い中等学校進学を希望する子供たちを対象としている。北アメリカでは,中等教育はそれほど厳格な選抜制度をとっていないため,進学競争も比較的ゆるやかで,予備学校はむしろ大学その他の高等教育機関への進学希望者を対象とすることが多い。イギリスではアメリカ同様 19世紀に出現し,私立の独自の学校系統を形成した。男女ともに8歳前後で入学し,11~13歳で希望する私立の中等学校 (その代表的なものがパブリック・スクール ) へ転入する。ドイツではこの種の初等予備学校としてフォアシューレ Vorschuleが存在したが,第1次世界大戦後消滅した。フランスでは国立の中等学校であるリセに準備学級 classes préparatoiresが併設されていたが,統一学校運動の結果,普通の初等学校との差別が撤去され,初等学校はすべて共通になった。大部分カレッジか大学に進学するアメリカでは,入学生の平均年齢15歳で,大学側の入学試験委員会などが定める条件に対応して通常は4~5年の課程が設けられている。

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