リセ(読み)りせ(英語表記)lycée フランス語

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リセ」の意味・わかりやすい解説

リセ
lycée

フランスの中等学校バカロレアの準備を目的とする。 1801年,国によって設立,維持され,従来7年制で第1期4年,第2期3年の課程で編成したが,ベルトゥアン改革以降第1期の最初の2年を観察期とした。また 1963年以降第1期課程を中等教育コレージュに含めることとし,第2期3年課程だけでリセを構成するように改革された。リセには,文科理科,工業技術科などのコースがおかれており,これとは別に職業専門教育本位の技術系リセもある。いずれも,フランス中等教育の目的に即して単なる知識の吸収ではなく,批判的思考力の養成と人格陶冶を最終目的としている。 1880年創設の女子のリセ Lycée de fillesは,当初は5年制でカリキュラムも男子と異なっていたが,1942年以降男子と等しくなった。リセの大部分国立だが,公私立も少数だがある。ドイツのギムナジウムとともに,日本の中等学校のモデルとされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リセ」の意味・わかりやすい解説

リセ
りせ
lycée フランス語

ナポレオン学制(1802)以来、エリート大学準備教育を行うフランス国立中等学校。付属初等課程を含む9年制学校であり、その修了者には試験により国家学位の一つであるバカロレア資格が授与される。バカロレア資格所有者は、全国のどの大学のどの学部に登録することもできる。近年のたび重なる学制改革により、リセは3年制の後期中等教育機関となって大衆化され、日本の高等学校に相当するものになったが、バカロレア資格取得への近道であることに変わりはない。

[桑原敏明]

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