予祝(読み)ヨシュク

世界大百科事典 第2版の解説

よしゅく【予祝】

豊作や多産を祈って,一年間の農作業や秋の豊作を模擬実演する呪術行事。農耕儀礼の一つとして〈予祝行事〉が行われることが多い。あらかじめ期待する結果を模擬的に表現すると,そのとおりの結果が得られるという俗信にもとづいて行われる。小正月に集中的に行われ,農耕開始の儀礼ともなっている。一種の占いを伴うこともある。庭田植(にわたうえ),繭玉(まゆだま),粟穂稗穂(あわほひえぼ),鳥追成木(なりき)責めなど地方色豊かなものが多い。

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精選版 日本国語大辞典の解説

よ‐しゅく【予祝】

〘名〙 あらかじめ祝うこと。前祝い。

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世界大百科事典内の予祝の言及

【イネ(稲)】より

…虫送りには,害虫を隣村との境や海,川などに追い出すが,近年,衰退しつつある。日本の稲作儀礼には,こうした儀礼のほかに,呪術(じゆじゆつ)的な要素をともなった予祝儀礼が高度に発達している。この儀礼は,秋の収穫と春の播種のあいだの1月上旬から中旬にかけて行われ,この日,農家の主人は田畑に出かけ,そこで種まきや田植,草取り,稲刈りなどの模擬的な所作をして,きたるべき年の豊作を祈願する。…

【仕事始め】より

…年初に行われる生業開始の儀礼。年間最初の労働がその年の生業全体に影響を及ぼすという考えに基づき,多分に予祝の意味をこめて行われる。田畑の仕事始めは鍬入れ,作始め,打ちぞめなどといわれ,正月2,4,11日などの早朝にその年の恵方(えほう)に当たる田畑へ出て数鍬うない,持って行った正月飾りや神酒,洗米などを供えてくるが,その際洗米やオソナエ(餅)の砕片を並べて烏呼びをし,どの洗米や砕片を食うかによって作占(さくうら)をする風もある。…

【八朔】より

…旧暦8月1日(朔日)のこと。重要な節日で,八朔節供,田実(たのみ)の節供などといわれ,稲の収穫を目前にしての豊作祈願や予祝に関したこと,および各種の贈答(贈物)が行われる。八朔盆といって盆月の終了を意味する伝承もある。…

※「予祝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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