国指定史跡ガイド 「二ツ森貝塚」の解説
ふたつもりかいづか【二ツ森貝塚】
青森県上北郡七戸町榎林にある縄文時代前期から中期(5500年前から4000年前)の貝塚遺跡。小川原湖の南西岸から西方の内陸に約4km入った標高約40mの段丘上にあり、著名な大規模集落跡である三内丸山遺跡とほぼ同時期に栄えた。貝塚としては青森県最大で、東北地方でも有数の規模を持つ。東西に約600m、南北約170mの範囲に馬蹄形に貝塚が広がる。ホタテガイ、ハマグリ、マガキ、アサリ、ヤマトシジミなどの貝殻やマダイ、スズキ、ヒラメ、フグ、サケなどの魚骨、シカやイノシシなどの獣骨、土器や狩漁道具のほか、翡翠や琥珀、黒曜石など遠方との交易を示す遺物が出土している。また、人骨のほか幼犬の骨が出土し、縄文時代における人間と犬の親密な関係を示唆している。1998年(平成10)に国指定史跡となった。青い森鉄道上北町駅から車で約20分。