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ハマグリ ハマグリ Meretrix lusoria; Asian hard clam

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハマグリ
ハマグリ
Meretrix lusoria; Asian hard clam

軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ科。殻長 8.5cm,殻高 6.5cm,殻幅 4cmに達する。殻は丸みのある三角形で厚質堅固,殻頂はやや前方に寄る。殻表は平滑で光沢があり,色彩模様は個体的に変異するが,黄色地に2本の黒褐色の放射帯のあるのが模式的で,このほかに放射帯や斑紋や点がある。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典の解説

ハマグリ

 [Meretrix lusoria].ハマグリ目ハマグリ属の海産二枚貝

出典|朝倉書店
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食の医学館の解説

はまぐり【ハマグリ】

《栄養と働き》
 ハマグリは、同じ貝の貝殻(かいがら)でないとピッタリ合わないことから、夫婦和合のシンボルとして婚礼の料理によく用いられます。
 ハマグリは北海道を除いた日本各地に分布していますが、漁獲量の多いのは熊本、三重、千葉の3県です。内海の浅い砂地に住み、冬は砂の中に潜っていますが、春になると表面に移動するので、潮干狩りが楽しめます。
 養殖もさかんで、春にとった稚貝を沖合いに置き、2年後につかまえるのが一般的です。
〈豊富なカルシウム骨粗鬆症、腰痛を防ぐ〉
○栄養成分としての働き
 ハマグリはカルシウム、鉄などのミネラルが豊富です。
 カルシウムは、骨や歯を形成したり、心臓の鼓動を保たせ、筋肉の収縮をスムーズにするほか、神経の興奮を鎮め、精神を安定させるのに役立ちます。
 カルシウムが不足すると、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、腰痛や肩こりなどが起こります。また高血圧や動脈硬化の原因にもなります。
 鉄は、赤血球ヘモグロビンの構成成分として酸素の運搬に働くほか、筋肉中にもミオグロビンという形で存在し、酸素を筋肉にとりこんで、エネルギーをつくりだす手助けをしています。
 妊婦、授乳婦、痔(じ)の人、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)月経過多の女性などは積極的に摂取しましょう。
 また、亜鉛(あえん)も多く含んでいるので、味覚障害に役立ちます。
〈殻は糖尿病、二日酔いに、身は解熱、目の充血などに〉
○漢方的な働き
 漢方薬膳(やくぜん)では殻を文蛤といい、糖尿病や二日酔いでのどのかわきがはげしいときに用います。
 また、身も解熱(げねつ)、黄疸(おうだん)、目の充血、たん、おりものの異常の改善に用います。
《調理のポイント
 ハマグリの独特のうまみは、アミノ酸グリシングルタミン酸グリコーゲンコハク酸などが豊富なためです。
 旬(しゅん)は、晩秋から春。貝のつやがよく口がしっかり閉じていて、身がふっくらと厚いものが良質。また、貝どうしをぶつけて澄んだ音がするものは鮮度のよい証拠です。
 ハマグリは砂抜きが必要なので、薄い塩水に1晩ねかせてください。
 新鮮なハマグリは刺身で食べられますが、栄養を考えると、加熱によってハマグリに含まれるビタミンB1分解酵素(アノイリナーゼ)の働きが抑えられるので、火をとおしたほうがよいでしょう。ただし、火をとおしすぎると身がかたくなり、うまみも逃げ、消化が悪くなるので、注意しましょう。
 潮汁(うしおじる)や焼きハマグリ、鍋もの、串焼き、ハマグリ飯、時雨煮(しぐれに)、西洋料理ではクリーム煮、クラムチャウダー、中華料理では煮もの、炒(いた)めものなどにも用いられます。
○注意すべきこと
 ハマグリは、一度に多量に食べると吐(は)き気(け)や湿疹(しっしん)がでやすくなるので、適量食べることがたいせつです。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハマグリ
はまぐり / 蛤
Asiatic hard clam
[学]Meretrix lusoria

軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ科の二枚貝。北海道南部以南の日本全国各地のみならず朝鮮半島、中国沿岸、台湾に分布し、淡水の影響のある内湾の潮間帯から、水深10メートルぐらいの砂泥底に潜入し埋没してすむ。和名は褐色のクリの実に似ていることに由来する。ハマグリは2年で殻長およそ32ミリメートル、4年で44ミリメートル、5年で55ミリメートルとなり、最大80ミリメートル以上に達し、少なくとも6年以上の寿命があると思われる。殻形は丸みのある三角形で厚質。殻表は平滑で光沢があり暗黄褐色で、2本の褐色の放射帯があるのが典型的であるが、全体が褐色や黄白色の単色のものや、細い山形の線模様や褐点のあるものなど色彩変異に富む。殻頂はやや前方に寄っていて前に傾く。殻頂の下には放射状に配列する蝶番(ちょうつがい)の歯が並び、左右の殻がしっかりかみ合う。殻内は通常白色であるが、わずかに紫色斑(はん)のある個体もまれにある。
 産卵期は6月から10月にわたるが、盛期は8~9月の高水温期である。卵は球形で直径60~80マイクロメートル、受精後24時間で有殻幼生となる。幼生は川口付近で育ち、200~300マイクロメートルの大きさになると底生生活に移り、成長とともにしだいに沖のほうへ移る。通常、移動力は小さいが、環境が悪化すると、30~50ミリメートルぐらいの時期のハマグリは粘液糸を出して、それを抵抗板にして下げ潮(落潮流)とともに海底を滑るようにして移動する。このため一夜にして漁場から貝がすべて姿を消すことさえある。
 ハマグリは元来激しい環境変化に耐える性質があり、盛夏には39℃、厳冬期には3℃まで耐えることが知られているが、近年の沿岸都市開発のため漁獲量が激減している。このため、最近ハマグリとして市場に出回っているものの多くは、韓国や中国から輸入された別種シナハマグリM. petechialisである。同種もハマグリと同様の環境にすみ、朝鮮半島の多島海に多い。ハマグリより腹縁が丸く、殻頂は小さく前に傾くこと、および蝶番の歯の部分にかならず紫色斑をもつことで区別される。ときおりハマグリの代替品として利用されるチョウセンハマグリM. lamarckiは、大形になる種であるが、外洋砂浜にすみ、年ごとの漁獲量がきわめて不安定であるため、一部の地方的な消費に限られている。[奥谷喬司]

食品

ハマグリは古くから食用とされ、貝塚からもアサリ、シジミなどとともに多数の貝殻が出土している。ハマグリには特有のうま味があるが、これはコハク酸を多く含むためである。ビタミンB2を比較的多く含む。ビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼも含むが、加熱すれば作用しなくなり、心配はない。殻付きのものは、3%程度の塩水に半日ほど浸(つ)けて砂を吐かせてから使う。市販品には砂抜きしたものも多い。加熱しすぎると身がしまって堅くなる。また、うま味も流出するので短時間に行うようにする。殻付きは焼きはまぐり、酒蒸し、潮汁(うしおじる)などに、むき身にしたものは和(あ)え物、はまぐり飯、佃煮(つくだに)、クリーム煮、スープの実などに用いられる。地方名物では、三重県桑名の時雨(しぐれ)はまぐり(ハマグリの佃煮)や殻ごと焼く焼きはまぐりが有名である。[河野友美・大滝 緑]

民俗

この貝にまつわる話は多く、『古事記』にはハマグリの出す汁で大国主神(おおくにぬしのかみ)の火傷(やけど)を治療したとあり、また御伽草子(おとぎぞうし)の『蛤草子(はまぐりのそうし)』や能の狂言、昔話の「蛤女房」などでは、ハマグリの精が女性となって登場する。蜃気楼(しんきろう)を吐くという俗説は、中国から伝わったものである。
 ハマグリに限らず二枚貝の蝶番は、同一個体でない限り左右が絶対にあわない。この性質をもつハマグリの殻は、鎌倉時代以降の遊戯である貝覆(かいおおい)(貝合(かいあわせ))の道具として利用され、その道具類は貞節の象徴として嫁入り道具に加えられるほか、同様の意味から夫婦和合の象徴として婚礼の祝事に用いられる。
 また、昔はこの殻を、練り薬や丸薬を入れる容器にした。[矢野憲一]

文学

『古事記』神代の大国主神(おおくにぬしのかみ)の火傷を治療した蛤貝比売(うむぎひめ)は、蛤の擬人化したものであろう。『枕草子(まくらのそうし)』に「貝は、うつせ貝。蛤。いみじう小さき梅の花貝」とある。『今昔物語集』巻30には、海松(みる)(海草の一種)の生えた蛤がみえ、『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』巻20には、蛤の放生(ほうじょう)に関する話がいくつか記されている。『山家(さんか)集』下の、「今ぞ知る二見(ふたみ)の浦の蛤を貝合せとて覆(おほ)ふなりけり」とあるのは、貝合(かいあわせ)に用いられた蛤の用例として早いものだろう。季題は春。[小町谷照彦]

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