五丈原(読み)ゴジョウゲン

日本大百科全書(ニッポニカ) 「五丈原」の意味・わかりやすい解説

五丈原
ごじょうげん

中国、陝西(せんせいシャンシー)省眉(び)県の西方に広がる丘陵地帯で、三国時代の古戦場。蜀(しょく)の諸葛亮(しょかつりょう)(孔明(こうめい))が魏(ぎ)を討つために大軍を率いて出陣し、魏の司馬懿(しばい)(仲達(ちゅうたつ))とここで対峙(たいじ)した(234)。諸葛亮は屯田(とんでん)をおこして軍糧を確保し、100余日に及ぶ持久戦に持ち込んだが、そのさなかに病没した。諸葛亮の死後も、司馬懿はまだ彼が生きていると思い込み、その追撃を恐れて退却したので、「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」という諺(ことわざ)が生まれたという。

[關尾史郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の五丈原の言及

【陝西[省]】より

…その南方5kmの黄堡鎮(こうほちん)は,かつて北方青磁といわれた耀州窯(ようしゆうよう)の遺跡として近年有名になった。その他,東の省境に近く秦嶺の南にそびえる西岳(五岳の一つ)華山を始め,宝鶏市の北西にある,三国時代,蜀の諸葛孔明の陣地として有名な岐山(きざん)県の五丈原,東の省境,韓城県の司馬遷の墓,漢中市の東,城固県の張騫(ちようけん)の墓など,名勝古跡はすこぶる多い。【日比野 丈夫】。…

※「五丈原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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