司馬懿(読み)しばい(英語表記)Si-ma Yi; Ssǔ-ma I

  • 179―251
  • 司馬懿 Sī mǎ Yì

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]光和2(179)
[没]嘉平3(251)
中国,西晋 (→) の基盤を築いた武将河内郡温県 (河南省) 出身。仲達。諡は宣帝廟号高祖曹操に仕えて以後において次第にその勢力を強めた。明帝のとき,蜀の諸葛亮進攻に対抗するため出陣。また遼東公孫淵反乱を鎮定し,楽浪,遼東などの4郡を魏の版図とした。魏王朝の一基盤をなす屯田の経営にも力を注いだ。斉王の即位後,重臣である曹爽と対立を深めたが,嘉平1 (249) 年クーデターを起し,曹爽勢力を一掃した。また,この頃九品官人法の内容を一変し,それによって司馬氏が朝士の代表者的性格を得るのに成功し,受禅への道を固めた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

179‐251
中国,三国の将軍。晋朝建国の基礎を固めたので,のちに宣帝と追尊される。字は仲達。河内郡(河南省)温県の豪族。曹操の知恵袋といわれた荀彧(じゆんいく)の推薦で出仕し,ことに魏の文帝曹丕(そうひ)に重用されて,遺詔により明帝,叡(在位226‐239)を補佐すべき重臣に指定された。かくて,蜀に対する戦争指導の最高責任を負い,諸葛孔明の指揮する蜀軍と対決して,234年(青竜2)には五丈原孔明病死に追いこみ,蜀の脅威を根絶したあと,238年(景初2)には遼東太守の公孫淵を討って朝鮮半島北部に至るまで魏の版図を広げた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国、三国魏(ぎ)の武将。字(あざな)は仲達(ちゅうたつ)。河内(かだい)郡温(おん)県(河南(かなん)省温県)の人。崔琰(さいえん)・荀彧(じゅんいく)に評価されて曹操(そうそう)に仕えるが、才能を警戒され、高位につくことはなかった。魏の初代皇帝である文帝(ぶんてい)曹丕(そうひ)のときに、陳羣(ちんぐん)と並んで行政の最高位にのぼり、明帝(めいてい)曹叡(そうえい)のときに、撫軍(ぶぐん)大将軍に都督荊豫二州(ととくけいよにしゅう)諸軍事を加えられて、方面軍司令官としての資格を得、諸葛亮(しょかつりょう)(孔明(こうめい))に呼応して反乱を起こした孟達(もうたつ)を斬った。230年には大将軍・大都督(だいととく)となり、諸葛亮の侵攻を防ぐことを通じて軍事権を掌握し、234年には持久戦により、諸葛亮を五丈原(ごじょうげん)に陣没させた。遼東(りょうとう)の公孫(こうそん)氏を滅ぼしたのち、一時、曹室の権力の建て直しを目ざす曹爽(そうそう)に権力を奪われた。しかし、240年、正始(せいし)の政変により曹爽を打倒して権力を確立、王淩(おうりょう)の乱を未然に防ぎ、司馬氏の基盤をつくりあげた。オオカミのように後ろを振り返ることができる狼顧(ろうこ)の相で、顔だけを真後ろに向けることができたという。

[渡邉義浩]

『渡邉義浩著『「三国志」軍師34選』(PHP文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

中国、三国時代魏の政治家、武将。死後西晉の高祖宣帝と称された。字(あざな)は仲達。河内温(河南省温県)の人。魏の曹操・文帝(曹丕)・明帝・斉王芳の四代に仕えた。文帝の時代、蜀漢の名将諸葛孔明を五丈原で撃破したことは有名。(一七九‐二五一

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の司馬懿の言及

【魏】より

…後をついだ子の曹丕(そうひ)がその年の10月,献帝の禅譲を受けて帝位に昇り,ここに後漢は滅んで,同じく洛陽を首都とする魏国が正式に成立した。曹丕(文帝)の次の明帝曹叡(そうえい)は高句麗を破り,独立していた公孫淵を滅ぼして,支配地域を遼東から北朝鮮に広げたが,やがて249年(嘉平1)以後,実権は司馬懿(しばい)父子の手に握られ,その意のままに天子の廃立が行われる状態になった。263年(景元4),魏は蜀を滅ぼして,これを併合したが,265年,元帝曹奐(そうかん)は司馬懿の孫の司馬炎に帝位を譲り,魏は5代45年で滅んだのである。…

※「司馬懿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

出し子

1 だし汁を取るための干した雑魚(ざこ)。煮干し。2 振り込め詐欺などの犯罪に利用された預金口座から現金を引き出す役をいう隠語。→掛け子 →受け子...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android