五塩化リン(読み)ごえんかりん(その他表記)phosphorus pentachloride

改訂新版 世界大百科事典 「五塩化リン」の意味・わかりやすい解説

五塩化リン(燐) (ごえんかりん)
phosphorus pentachloride

化学式PCl5三塩化リンPCl3と,塩素を直接反応させると得られる。淡黄色の正方晶。融点167℃(919mmHg),昇華温度160℃,比重2.119(20℃)。二硫化炭素四塩化炭素塩化ベンゾイル可溶。結晶状態では四面体形の[PCl4]⁺と八面体形の[PCl6]⁻のイオン性構造。気体では三方両錐形分子。四塩化炭素中では二つの八面体の稜を共有した二量体として存在する。気体にすると,100℃で数%,300℃以上では完全に三塩化リンと塩素に解離する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五塩化リン」の意味・わかりやすい解説

五塩化リン
ごえんかリン
phosphorus pentachloride

化学式 PCl5無色ないし淡黄色の発煙性のある潮解性結晶。刺激性の不快臭があり,眼および粘膜をおかす。昇華点 100℃,加圧下での融点 160℃。二硫化炭素,塩化ベンゾイルに可溶。少量の水により塩化ホスホリル POCl3 ,多量の水によりリン酸 H3PO4 となる。腐食性毒性があり,危険。有機合成における塩素化剤として用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「五塩化リン」の解説

五塩化リン
ゴエンカリン
phosphorus pentachloride

[別用語参照]塩化リン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android