改訂新版 世界大百科事典 「五岳真形図」の意味・わかりやすい解説 五岳真形図 (ごがくしんぎょうず)Wǔ yuè zhēn xíng tú 中国,道教の護符の一種。太古の時代,太上道君が大地の鎮めとして五つの大岳を地上に置いたが,その五岳の形を天上から観察し,一種の神秘的な地図として写し取ったものという。道士がこの護符を持って山川を経めぐるとき,山川の精霊たちが出迎えていろいろ世話をやいてくれるのである。この護符は,東晋の葛洪(かつこう)の《抱朴子(ほうぼくし)》の中ですでに重要な道典だとされており,《道蔵》の中にもいくつかこれに関係する経典が収められる。後世,民間信仰的な傾向を強くし,図も図案化されて,石刻などが残るほか,日本にも伝わり,注釈が書かれたりしている。執筆者:小南 一郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by