改訂新版 世界大百科事典 「五旬祭」の意味・わかりやすい解説
五旬祭 (ごじゅんさい)
Pentecost
ユダヤ教,キリスト教の祝日。(1)旧約聖書に見られる五旬祭(《出エジプト記》34:22,《レビ記》23:15,《申命記》16:9)は,イスラエル民族のカナン定住後,農耕儀礼として起こったユダヤ教の三大祝日の一つ。後に,かつてイスラエル民族がエジプト脱出(過越)のできごとから50日目にシナイ山麓でモーセを通して受けた神のことば(十誡)を受け入れたことが神と民との契約として記念する礼拝集会として意義付けられるようになる。(2)東方のキリスト教の一派,ギリシア正教では,ユダヤ教の過越の祭のころキリストの復活のできごとが起こり,その50日目に聖霊降臨が起こったので,後者を五旬祭と呼び,その後の主日(日曜日)もこの日から数えて〈五旬祭後第○主日〉と呼んでいる。
→聖霊降臨祭 →ペンテコステ
執筆者:土屋 吉正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報