日本歴史地名大系 「五百川」の解説 五百川ごひやくがわ 福島県:安達郡五百川国道四九号が通る中山(なかやま)峠(猪苗代町と郡山市の境)の直下に水源があり、二五キロほど流下して阿武隈川に合流する一級河川。支流に石筵(いしむしろ)川と七瀬(ななせ)川がある。石筵川中流部には郡山市石筵の埋積小盆地があり、源義家が石の上に筵を敷いて座り軍勢を指揮したという伝説が語られ、地名の起源になったといわれている。また戊辰戦争のとき西軍が石筵から母成(ぼなり)峠(郡山市と猪苗代町の境)を経て猪苗代に攻め入った。現在は母成グリーンライン(熱海高森有料道路)の起点となっている。ここより上流の石筵川は和尚(おしよう)山の溶岩を浸食して流れ、猿(さる)岩の奇岩や一〇メートル余もある雄壮な銚子(ちようし)ヶ滝(郡山市)がみられる。七瀬川の上流には本宮(もとみや)盆地に灌漑用水を送るための三ッ森(みつもり)池(大玉村)が昭和一四年(一九三九)につくられた。五百川の上流に近く磐梯熱海(あたみ)温泉(郡山市)がある。鎌倉時代頃開発されたらしく、都から五〇〇番目の川の上流の温泉につかって病気を治したという萩姫伝説が伝えられている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by