日本大百科全書(ニッポニカ) 「亜熱帯前線」の意味・わかりやすい解説 亜熱帯前線あねったいぜんせん 亜熱帯地方の上空に現れる前線。亜熱帯地方の対流圏上部では、空気が南と北から収束するために下降流を生じている。このため、この地域の対流圏上部から中部にかけての上空にこの前線が現れる。これに対して亜寒帯地域では下層で空気が南と北から収束し、下層になるほど明瞭(めいりょう)な寒帯前線が現れる。亜熱帯前線は亜熱帯ジェット気流と関連があるため亜熱帯ジェット前線とよぶこともある。亜熱帯前線付近では強い乱気流がおきやすく、ジェット機がこの中へ入ると突然激しく動揺し事故を引き起こす危険がある。この乱気流は雲がない高い場所で発生するため晴天乱気流とよばれる。[饒村 曜] 亜熱帯前線の模式図 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
海の事典 「亜熱帯前線」の解説 亜熱帯前線 中緯度・亜熱帯海域を東西に走る表面流の弱い収束線で亜熱帯収束線(Subtropical convergence)とも呼ばれる。南半球では、各大洋の中央水と亜南極海域の水塊との境をなしている。北太平洋では中央水内部での南西流と北赤道海 流との間にある収束線を指すのが普通であるが、あまり明確な前線ではない。 (永田) 出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報 Sponserd by