ジェット機(読み)じぇっとき(英語表記)jet plane,jet aircraft

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェット機」の意味・わかりやすい解説

ジェット機
じぇっとき
jet plane,jet aircraft

タービンエンジン一種であるジェットエンジンによって推進力を得る飛行機。おもにターボジェット、およびターボファン・エンジンを装備した飛行機をいう。なお、タービンエンジンでプロペラを駆動して推力を得ている飛行機はターボプロップ機といっている。ジェット機には、以下のような特徴がある。

(1)プロペラを使わず、噴出ガスの反動およびそのエネルギーでファンを駆動して推進力を得るので、プロペラを使用する際に遭遇するような音速の障害がなく、音速またはそれ以上の速度で飛行できる。

(2)ピストンエンジンでは強度と重量のかね合いから、エンジン1台当りの出力に限界がある。そこでエンジンの数を増やして対応しようとすれば機体のほうに強度や取り付け場所などの制限があって性能的にも構造的にも行き詰まりが生じるが、ジェットエンジンは出力のわりに小型軽量であるため、こうした制約がなく超大型機の開発が可能である。

(3)プロペラ機に比べて機内の騒音振動が少ないので、快適性が優れている。

(4)エンジンの取り付け位置を自由に選ぶことができ、機能を重視した型式をつくることができる。

(5)高い高度を飛ぶほど燃料消費率が小さくなるので、高高度飛行に適した装備と構造が必要とされる。

 世界最初のジェット機は1939年に完成したドイツのハインケル178機とされているが、現在では軽飛行機を除く飛行機およびヘリコプター大部分はジェット機(タービン機)である。

[落合一夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android