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水塊 すいかい water mass

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水塊
すいかい
water mass

水温,塩分,溶存酸素栄養塩類などがほぼ等しい広範囲の海水。水温Tを縦軸に,塩分Sを横軸にとったT-S図で示される。海水のうち,人間生活と直接関係をもつ上層水を分けた寒帯水,亜寒帯水亜熱帯モード水,赤道水などはそれぞれ水塊である。

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デジタル大辞泉の解説

すい‐かい〔‐クワイ〕【水塊】

海洋中の、水温・塩分・水色・透明度・プランクトン分布などが比較的一様な海水のかたまり。

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百科事典マイペディアの解説

水塊【すいかい】

海洋学の術語。水温,塩分,溶存酸素,栄養塩類等がほとんど一様な水のかたまり。海水の密度はほとんど水温,塩分によって決まること,およびこれらの測定が簡単であることからT‐S曲線(平面上に直交する座標軸をとり,一方に温度T,他方に塩分Sをとれば水温と塩分の1組の値はその面上の一点で表される)で水塊を分類する。
→関連項目水温

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世界大百科事典 第2版の解説

すいかい【水塊 water mass】

海水の水温や溶存成分(塩分,酸素,栄養塩など)の水平分布を調べてみると,ほとんど分布の変化のない広い海域がある。この海域内では,水色,透明度,プランクトンなどの特性も一様であることが多い。またこうした海域と海域との間では,これらの特性が急激に変化し,境界が明瞭に認められる。このような比較的均質な海水の広がりを水塊と呼ぶ。これは気象学における気団とよく似た概念である。しかし,気団に比べると水塊の特性や占める海域は,時間変化しにくく安定である。

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大辞林 第三版の解説

すいかい【水塊】

水温・塩分などがほぼ同じ性質をもち、周囲の海水と区分できる海水のかたまり。 「冷-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水塊
すいかい
water mass

海洋で物理的、化学的性質が似かよった海水の大きな塊(かたまり)をいう。性質とは、水温、塩分、溶存酸素、栄養塩類などをいうが、水色、透明度、プランクトンなどを含むこともある。水塊と水塊との境界はこれらの諸性質が急変する不連続帯となっている。[半澤正男・高野健三]

水塊の判別

水塊を判別するには普通T‐SダイヤグラムT‐S diagramが用いられる。これは縦軸に水温T、横軸に塩分Sをとり、このダイヤグラム上に、一つの観測点で得られた各深度の塩分に対する水温をプロット(記入)して得られる。
 T‐Sダイヤグラムはノルウェーの海洋学者ヘラン・ハンセンBjrn Helland-Hansen(1877―1957)が1916年に案出したもので、簡便で水塊の判別を明確に行うことができるため今日でも海況の解析によく使用されている。同じ水塊のT‐S曲線は季節変化の激しい表層部を除けば、ほぼ同じ形を示す。なお、T‐Sダイヤグラムには等密度線(通常、等シグマ・ティーσt線)も記入し、これとT‐S曲線との交角から水塊の鉛直安定度を調べたり、等密度線上で二つの水塊の混合の状況を知ることができる。[半澤正男・高野健三]

水塊の成因

水塊が形成される要因としては、海面を出入する熱量、蒸発、降水、海水の流れ、結氷、融氷などのほか、陸地の近くでは陸水の流入がある。たとえば亜熱帯海域では海面からの蒸発が盛んなため海水の塩分が高くなり、高塩分の水塊ができる。また高緯度地方では冬季、表面で冷却されて、重くなった水は沈降して深層水、底層水になる。[半澤正男・高野健三]

世界の海の水塊

三大洋の上層水は、(1)寒帯水polar water 南緯40度以南と太平洋の北緯40度以北にみられるもの、(2)中央水central water ほとんどすべての海の中緯度帯にみられるもの、(3)赤道水equatorial water 太平洋とインド洋の赤道地帯にみられるもの、の三つに分類される。これらは前述のT‐Sダイヤグラムで識別できる。
 太平洋の中央水は、南北太平洋にそれぞれ存在し、さらに東西に二分されている。赤道水は太平洋、インド洋では明瞭(めいりょう)に存在するが、大西洋でははっきりせず、北中央水から南中央水へのゆっくりした変化がみられるのみである。中央水の極側には亜寒帯水subarctic, subantarctic waterがある。亜寒帯水である亜南極水のさらに南極側には南極周極水antarctic circumpolar waterがある。
 中層水(上層水と深層水の中間、数百メートルの深さにあるもの、一般に塩分の極小層となっている)は、北太平洋では亜寒帯水が起源で亜寒帯中層水subarctic intermediate waterとよばれる。亜寒帯水が亜寒帯収束線から中央水の下層に潜ったものである。南半球では南極表層水が南極収束線で下層に潜って中層水となる。
 深層水deep waterは上・中層水と底層水bottom waterを除いた深海の大部分を占める巨大な水塊である。低温、高密度が特徴。底層水は約4000メートル以深の深海の底層海水をいう。南極海を除くと底層水と深層水の区別はあまりはっきりしない。深層水、底層水は北大西洋北西部と南極周辺海域で冷たい、高塩分の表層水が沈降したのち、全大洋に広がったものである。
 地中海と紅海では海面からの蒸発が盛んで、たとえば紅海北部では年間210センチメートルである。降水量が少ないため高塩分水が形成される。この高塩分水は地中海からはジブラルタル海峡を通って北大西洋に、紅海からはバブ・エル・マンデブ海峡を通り、アデン湾を経てインド洋に流出する。北大西洋とインド洋の中層水や深層水の形成に及ぼす影響は大きい。[半澤正男・高野健三]

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世界大百科事典内の水塊の言及

【海水】より

…世界の海の1本1本の海水柱についてTS曲線を描いてみると,幾つかの限られた種類に分類できることが知れる。それぞれの特性をもつ水柱群を水塊という。例えば黒潮域では,海水柱のTS曲線はほぼ一致する(図2)。…

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