交割(読み)コウカツ

精選版 日本国語大辞典 「交割」の意味・読み・例文・類語

こう‐かつカウ‥【交割・校割】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。
    1. (イ) ( ━する ) 立会いの上で物を分割すること。特に、禅寺で住持または執務者がかわるとき、新旧が立会って公私のものを点検すること。また、それを記入した帳面。あるいは、各寮舎の什物を記録し、二か所に分けて保管し照合する物品目録とも。
      1. [初出の実例]「その塔いま本山にあり、庫下に交割す」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行持)
      2. [その他の文献]〔勅修百丈清規‐三・入院〕
    2. (ロ)こうかつもの(交割物)」の略。
      1. [初出の実例]「校割なんどに什物と云も其心ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
  3. ( ━する ) 引き渡すこと。また、授受すること。
    1. [初出の実例]「筭する所の費、槩ね四千金に当る。因て先づ其半を用て交割」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)四)
  4. かつて、中国で、事務担当者が、事務の交替に際して、引き継ぎをすること。〔明律‐吏律・職制・官員赴任過限〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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