交野少将(読み)かたののしょうしょう

改訂新版 世界大百科事典 「交野少将」の意味・わかりやすい解説

交野少将 (かたののしょうしょう)

平安中期の物語主人公。《源氏物語》《落窪物語》では好色漢とされ,源英明交野中将の称があったともいう。一方,《風葉和歌集所見の〈交野物語〉は,中納言なる人物が交野の鷹狩りが縁で大領の娘と契るが,以後訪れないため娘は投身自殺をはかるという筋で,《今昔物語集》に伝える高藤伝説と似る。この〈交野物語〉と先の〈交野少将を主人公とした物語〉とが同一物か否かが問題とされるが,起源を別にしながら2者をないまぜにした作品が存在したとの説が有力。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「交野少将」の解説

交野少将 かたのの-しょうしょう

物語の主人公。
平安時代の「源氏物語」「落窪物語」「枕草子」に色好み典型としてえがかれる。一方,鎌倉時代の「風葉和歌集」の「かたのの物語」は,鷹狩りの縁で郡司長官の娘とちぎった中納言が娘をすて,自殺に追いやるという筋になっているが,両者関係は不明。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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