京暦(読み)キョウゴヨミ

精選版 日本国語大辞典 「京暦」の意味・読み・例文・類語

きょう‐ごよみキャウ‥【京暦】

  1. 〘 名詞 〙 京都の暦師の作った暦。室町時代には京都に擢暦(すりごよみ)の座があり、大経師がそれを支配した。江戸時代には大経師暦と院御経師暦とがあった。
    1. [初出の実例]「京暦は今日小にてつもこり也」(出典:多聞院日記‐元亀元年(1570)七月二九日)

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改訂新版 世界大百科事典 「京暦」の意味・わかりやすい解説

京暦 (きょうごよみ)

京都暦ともいう。京都の暦師によって頒行された暦。版元により大経師暦と院経師暦の2種がある。京暦の起りは鎌倉時代ころと推定され,15世紀の半ばには摺暦(すりごよみ)座というものが専売権を握っていた。大経師は1657年(明暦3)には諸国暦師支配の権を握り朝廷のおひざもとにあって他の暦師とは比べものにならないほどの地位勢力をもち,大経師暦は標準的頒暦として全国的に販売自由であった。院経師暦は1613年(慶長18)以後に発行されたもので,貞享以後は発行部数も1万部と制限されていた。京暦の体裁は巻暦であった。
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世界大百科事典(旧版)内の京暦の言及

【暦】より

… 貞享の改暦以前は地方の暦師によって暦が作られていたため暦日が相違することがあった。例えば京暦と南都暦,京暦と三島暦,あるいは三島暦と大宮暦などで,ある月について一方は大の月,他方は小の月とすることがあって問題となった例がいろいろの文献に残されている。以下で各地の暦の主要なものについて述べる。…

※「京暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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