人がましい(読み)ヒトガマシイ

デジタル大辞泉 「人がましい」の意味・読み・例文・類語

ひと‐がまし・い【人がましい】

[形][文]ひとがま・し[シク]
一人前に見えるさま。人並みらしい。
斯様こんなものさえ―・くそのようにお話して下さいますのが」〈木下尚江良人の自白
相当の人物らしく見えるさま。
「次々の人の子も―・しかりぬべき子をこそ」〈愚管抄・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「人がましい」の意味・読み・例文・類語

ひと‐がまし・い【人がましい】

〘形口〙 ひとがまし 〘形シク〙 (「がましい」は接尾語)
① 一人前らしい。人並みらしい。人らしい。
源平盛衰記(14C前)二〇「あああたら詞を主にいはせで、人がましきと云」
浮世草子世間胸算用(1692)三「十人並に人がましう当世女房に生れ付と思へば」
② 相当の人物らしい。人にしられるほどである。
※栄花(1028‐92頃)かがやく藤壺「世の中に少し人に知られ、人がましき名僧などは」
[語誌](1)類義語「ひとびとし」が中古の仮名文献に多用されるのに対して、「ひとがまし」はほとんど例が見られない。
(2)「ひとびとし」が、単に人並みであるだけでなく、立派な身分の望ましい状態を指すのに対して、「ひとがまし」は、同じく人並みを示すが、やや卑下の意味合いがある場合、非難する場合にも用いられる。

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