人間悟性論(読み)にんげんごせいろん(その他表記)An Essay Concerning Human Understanding

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人間悟性論」の意味・わかりやすい解説

人間悟性論
にんげんごせいろん
An Essay Concerning Human Understanding

イギリス哲学者 J.ロック著書。 20年間にわたってまとめられ,1690年刊。「生得観念について」「観念について」「言語について」「知識について」の全4巻から成る。この書は近世認識論の発端をなし,G.バークリー,D.ヒュームなどに引継がれ,また心理学宗教論ではイギリス,フランス啓蒙主義に多大な影響を与えた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「人間悟性論」の解説

人間悟性論
にんげんごせいろん
Essay Concerning Human Understanding

イギリスの哲学者ロックの著書
1690年刊。イギリス経験論確立に貢献し,フランスの啓蒙思想カントに大きな影響を与えた。近年は「人間知性論」と訳されることも多い。

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世界大百科事典(旧版)内の人間悟性論の言及

【人間知性論】より

…1689年刊。従来《人間悟性論》と訳されてきたが,〈悟性〉がカント的な意味で〈感性〉および〈理性〉との範疇(はんちゆう)的な区別を想起させること,ロックがunderstandingに相当するラテン語としてintellectusを予定していたことを根拠に,最近では《人間知性論》と訳されることが多い。知識の起源を〈経験〉に求めつつ人間の認識メカニズムを内観した本書は,経験論を定式化した作品として,またカント的批判哲学の先駆として哲学史上に重要な位置を占めている。…

※「人間悟性論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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