仁正寺藩陣屋跡(読み)にしようじはんじんやあと

日本歴史地名大系 「仁正寺藩陣屋跡」の解説

仁正寺藩陣屋跡
にしようじはんじんやあと

[現在地名]日野町西大路

西大路にしおおじ集落の南、西流する日野川右岸に位置する。元和六年(一六二〇)に設けられた仁正寺藩市橋氏二万石(のち一万七千石)の陣屋で、初代藩主長政以降、政信―信直―直方―直挙―長―長照―長発―長富―長義と一〇代にわたり在住し幕末を迎えた。敷地は中世末期の蒲生氏の主城中野なかの城跡地の北部にあたり、東西五一間・南北五〇間の規模(蒲生郡志)。当陣屋のほかに江戸では神田かんだ(現東京都千代田区)に柳原屋敷(上屋敷)本所ほんじよ(現東京都江東区)に下屋敷、京都清水きよみず(現京都市東山区)邸宅があり、大津湊の蔵屋敷は貞享二年(一六八五)に購入(蒲生郡志)

市橋氏は美濃国池田いけだ庄市橋(現岐阜県楫斐郡池田町)名字の地とし(新撰美濃志)、のち長勝が越後三条さんじよう(現新潟県三条市)四万石余に封じられたが元和六年に没し、嗣子なく除封となった。幕府は大坂陣で功績のあった甥の長政に家名相続を許し、蒲生郡・野洲やす郡および河内国交野かたの郡のうちで二万石を与えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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