付出(読み)つけだす

精選版 日本国語大辞典 「付出」の意味・読み・例文・類語

つけ‐だ・す【付出】

〘他サ五(四)〙
帳簿などに記入し始める。
② 代金を請求するために書いて出す。
歌舞伎・五大力恋緘(評釈江戸文学叢書所収)(1793)大切「『大和町への駕籠賃、酒、肴詳しう付出(ツケダ)して、この通りでござりまする』と源五兵衛に書付を渡す」
③ 馬などの背に荷物をつけて送り出す。
俚謡伊那節(1688‐1704)長野(日本民謡集所収)「木曾へ木曾へとつけ出す米は伊那高遠の涙米」
④ あとをつけて出る。尾行する。
浮世草子懐硯(1687)五「八九郎人をもつれず麓たどり行を、釣鐘の数右衛門つけ出し」
⑤ 値をつけはじめる。
※浮世草子・世間胸算用(1692)一「伊勢ゑび〈略〉永来といへる肴屋に、只ひとつ有しを壱匁五分より付出し

つけ‐だし【付出】

〘名〙
① つけはじめること。帳簿などに記入し始めること。起筆。かきだし。また、その帳簿。
※ひとりの武将(1956)〈松本清張〉一二「領国にわたって附け出しを出させた」
売掛金の請求書。かきだし。かきつけ。勘定書
③ 馬などに荷物をつけて送り出すこと。
※滑稽本・客者評判記(1811)上「しゃんしゃんと追来るは小田原の荷附馬、江戸まで附(ツケ)出しの魚荷と見えて」
相撲で、前相撲、本中、新序という最下級から順に出世せずにいきなり番付にのる力士。付出力士。〔東京風俗志(1899‐1902)〕

つけ‐いだ・す【付出】

〘他サ四〙 見つけ出す。捜し出す。たずね出す。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)五「是非に今宵は付(ツケ)出し申べしと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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