仮名読新聞(読み)かなよみしんぶん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「仮名読新聞」の意味・わかりやすい解説

仮名読新聞
かなよみしんぶん

明治初期の代表的小(こ)新聞。1875年(明治8)11月1日仮名垣魯文(かながきろぶん)によって横浜で創刊され、魯文の「猫々(みょうみょう)奇聞」など軽妙洒脱(しゃだつ)な筆で人気を集めた。初めは隔日刊だったが76年8月日刊となり、77年3月東京進出、5月3日付けから『かなよみ』と改題した。新聞小説史上有名な久保田彦作(1846―98)の『鳥追(とりおい)お松の伝』はこの年12月から連載されたもの。80年10月29日付け1400号で廃刊

[春原昭彦]

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デジタル大辞泉プラス 「仮名読新聞」の解説

仮名読新聞

1875年に仮名垣魯文が横浜で創刊した小新聞(こしんぶん)。のちに東京に移り「かなよみ」と改称。魯文の小説などが掲載された。1880年廃刊。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮名読新聞」の意味・わかりやすい解説

仮名読新聞
かなよみしんぶん

かなよみ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の仮名読新聞の言及

【大新聞・小新聞】より

…小新聞の世界では大新聞ほどはっきりした政党色はなかったが,自由民権運動が高揚するとともにその色彩が多少とも現れる。《読売新聞》《仮名読新聞》《東京絵入新聞》《絵入自由新聞》などが主要な小新聞である。なお,大阪では大新聞として《大阪日報》,小新聞として《浪花新聞》《朝日新聞》が代表格である。…

【仮名垣魯文】より

…ついで文明開化期の世相をとらえた《安愚楽鍋(あぐらなべ)》(1871‐72)で話題をよぶ。1872年〈三条の教憲〉公布後はしばらく文筆活動から遠ざかったが,新聞ジャーナリズムの活発化とともに復活,自ら《仮名読(かなよみ)新聞》《いろは新聞》などを創刊主宰し,戯文(ぎぶん),続き読物,劇評を発表する。なかでも《高橋阿伝夜叉譚(たかはしおでんやしやものがたり)》(1879)はニュースと物語を結合させた新しい現実再現譚としての性格を持ち,明治期の戯作の復興に貢献した。…

※「仮名読新聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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