伊波冬子(読み)イハ フユコ

20世紀日本人名事典 「伊波冬子」の解説

伊波 冬子
イハ フユコ

大正・昭和期の歌人 民俗学者・伊波普猷の妻。



生年
明治30(1897)年6月10日

没年
昭和50(1975)年11月22日

出生地
沖縄県久米村(現・那覇市)

別名
筆名=真栄田 忍冬

学歴〔年〕
沖縄第一高等学校卒

経歴
民俗学者伊波普猷が館長を務めていた県立沖縄図書館書記となる。その傍ら短歌を作り、「沖縄朝日新聞」の歌壇などにたびたび投稿した。大正13年に上京し、東京女子師範学校付属図書館に就職。のち上京してきた普猷と結婚し、貧窮に耐えながら夫の沖縄学研究を助けた。22年夫と死別したのちは信用金庫に勤務。また、この間も歌作を続け、民俗学者・歌人の折口信夫より指導を受けた。34年に帰郷親類の援助を受けながら亡夫全集編纂に力を注ぎ、37年「伊波普猷選集」を刊行。さらに49年には「伊波普猷全集」の刊行に着手したが、完成前の50年に没した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊波冬子」の解説

伊波冬子 いは-ふゆこ

1897-1975 大正-昭和時代の歌人。
明治30年6月10日生まれ。「沖縄朝日新聞」の歌壇で活躍。大正13年生地の沖縄から上京して,東京女高師(現お茶の水女子大)付属図書館につとめる。伊波普猷(ふゆう)と結婚したが,昭和22年夫は死去。34年に帰郷,亡夫の全集の出版につくす。晩年は折口信夫(しのぶ)に師事した。昭和50年11月22日死去。78歳。沖縄第一高女卒。筆名は真栄田(まえだ)忍冬。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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