忍冬(読み)スイカズラ

デジタル大辞泉 「忍冬」の意味・読み・例文・類語

すい‐かずら〔すひかづら〕【忍冬】

スイカズラ科蔓性つるせい木本山野自生。葉は楕円形で対生し、冬でも残っているので忍冬にんどうともいう。6、7月ごろ、葉のわきに2個ずつ並んでつく白色の花は蜜腺みっせんをもち、のち黄色に変わる。漢方で、茎葉や花を解熱解毒に用いる。スイカズラ科は約800種が北半球温帯熱帯地方高山に分布し、アベリアタニウツギなどが含まれる。 夏》

にん‐どう【忍冬】

スイカズラ別名。冬でも葉がしおれないのでいう。 夏》
スイカズラの茎・葉を乾燥したもの。漢方で浄血利尿解毒薬などに用いる。

すい‐ずら〔すひづら〕【忍冬】

スイカズラの別名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「忍冬」の意味・読み・例文・類語

すい‐かずらすひかづら【忍冬】

  1. 〘 名詞 〙 スイカズラ科の常緑つる性木本。各地の山野や路傍に生える。全体に褐色の細毛がある。茎は細長く、左螺旋の方向に巻いて他物に右巻きにからんでのび、長さ四~五メートルに達する。葉は長さ約五センチメートルの卵形または楕円形で柄をもち対生。花は初夏葉腋に二個ずつならんでつき、長さ三~五センチメートルで、細長い筒部があり、先は五裂して四片は上向きに一片は下向きに開き、芳香がある。初め白または淡紅色で、のち黄色に変わる。果実は径約六ミリメートルの球形で黒く熟す。葉は利尿・解熱の薬に用いる。漢名、忍冬・金銀花。にんどう。《 季語・夏 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「呉竹の奥ふかく、すいかづら・昼顔の花踏そめて道を付」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)二)

にん‐どう【忍冬】

  1. 〘 名詞 〙 植物「すいかずら(忍冬)」の漢名、および異名。また、生薬としては、葉を乾かしたものをいう。漢方では、止血、殺菌、利尿などに用い、民間では多く、淋病の利尿用に用いる。《 季語・夏 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕 〔俳諧・毛吹草(1638)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「忍冬」の解説

にんどう【忍冬】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。スイカズラ科スイカズラの葉および茎を乾燥したもの。解毒消炎抗菌利尿解熱などの作用がある。湿疹(しっしん)皮膚炎に効く治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「忍冬」の解説

忍冬 (スイカズラ・スイズラ;ニンドウ)

学名:Lonicera japonica
植物。スイカズラ科の半常緑つる性植物,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の忍冬の言及

【スイカズラ(忍冬)】より

…山野に多いスイカズラ科のつる性低木(イラスト)。花冠の奥にみつがあり,吸うと甘いためこの名があり,また冬でも葉の一部が残るため忍冬(にんどう)ともいう。茎は長く伸びて他物に巻きつき,古い樹皮は縦に裂ける。…

※「忍冬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android