伊船新田
いふなしんでん
[現在地名]鈴鹿市伊船町 伊船新田
伊船村の南東にある伊船野田村の、さらに南東にあり、御幣川左岸の台地上に位置する。伊船新田のある東野一帯の古田八三石余の地は、渇水のため荒地となっていた。伊船村大庄屋真弓長左衛門は、寛文五年(一六六五)亀山藩に一万人余の人夫を請求し、村の東の畑ヶ田の谷間をせき止めて竜ヶ池を掘り、右荒地を回復し、民家が集まって伊船新田が生れた(真弓家系譜)。この池よりの用水は下流の広瀬・津賀・高宮その他諸村をも広く潤すことになった。
この池の築造に当たっては、竜という女性を人柱にしたという伝説があり、池の名もこれに基づくとされるが、その難工事を物語るものであろう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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